バスク語/Euskara
今回は「バスク語」をご紹介しました。バスク語の全体的なイメージや一般的な情報は、動画でお話ししたので、ぜひチェックしてくださいね!
ただせっかくのブログの投稿なので、ここだけの少し興味深い話をしたいと思います。
動画でもお話しした通り、バスク語は家族のいない孤立言語です。こういった言語には謎も多いので、いろいろな仮設が出てきます。バスク語には、「不死身になるための錬金術師たちの秘密をバスク語で解き明かすことができる」などと、とにかくいろいろな逸話があります。しかし、ここではもう少し現実的な話をしたいと思います。
実は、バスク語と日本語は繋がっている。と思っている人もいるようです。強力な仮説だとは言えませんが、ちょっと見てみましょう…
比較言語学では、二つの言語の関係を調べる場合、まず構造から入ります。
細かく見ると違う点がかなり多いですが、大まかに見ると二つとも主語→目的語→動詞という順番で書かれる膠着語ですから、研究の甲斐があるかもしれません。次のステップは語彙の分析です。ここでは今の語彙を分析しても全く意味がありません。仮に同じ言葉だったかもしれない二つの言語でも今では全く違う道を歩んでいるかもしれませんし、反対に何の関係もなかった二つの言語の単語が面白い進化で似てきているだけかもしれないからです。(日本語の「名前 namae」とドイツ語の「Name」のように)。ですから、遡る必要があります。そして、言語には外来語が多いので、基礎語彙と呼ばれる「カゼ」や「アメ」、「ソラ」などの単語を研究の対象にしなければなりません。ですが、ここで問題発生です。いくら探しても、対応している基礎語彙がないに等しいのです。確かに、興味深いところはいくつかありますが、それも偶然の一致にすぎません。例えば、返事で使う日本語の「hai」とバスク語の「bai」の類似は面白いですね。昔の日本語で「bai」や「pai」、「fai」などと発音されていた可能性があると考えるとなおさらです。
今はまだあまり根拠のない仮説ですが、研究中なので面白い発見が今後出て来るかもしれません。
実は、日本語のルーツの研究は進んでいるんです。中でも、日本語はほかの語族由来の言語ではなく、日本語と消えつつある地域の「方言」と呼ばれる言語が合わさって「日本語族」なのではないか、というのが一番有力な仮説です。その他に大事な説は祖オーストロネシア語族からきて(発音のシステムで類似が見られる)、ドラヴィダ語族と接触して(基礎語彙で類似が見られる)、アルタイ語族とも接触した(文法で類似が見られる)言語だという説です。もちろん、現代の日本語は中国語や西欧諸言語との接触なしでは理解不能です。
言語のルーツや豆知識を見ていくのもおもしろいので、言語に対する興味が意外と言語習得の役に立つかもしれませんね!
では、次の投稿、もしくはレッスンでまたお会いしましょう!
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